top of page
スクリーンショット 2021-05-14 23.08.17.png

水沢観音山門横 昭和57年12月建立 揮毫者 書家 佐々木心華

「伊香保嶺に雷な鳴りそね」を折口信夫は「雷を遠ざける呪文のように用いた」といっている。

ナ・・・・ソという強い口調は呪的な心持の表出であるかもしれない。

                          中金 満 著『東歌の風土と地理』より

 

 雷電は一瞬に四、五百キロメートルもつっぱしるそうですが、群馬県地方では雷電を稲妻(イナヅマ、稲の夫)、稲光りと言っています。

  雷電と稲がつるんで(交接)そして、稲が穂をはらむという、稲の夫(ツマ)という古代の考えに生まれた言葉が今に生きて頻用されているわけです。イナヅマ、イナビカリ、イナツルビは同じ発想による語でしょう。

 

  関東地方では榛名山(伊香保嶺)から赤城山、日光白根山にかけての一帯と、利根川と渡良瀬川合流点付近が雷多発のメッカであり、全国有数の雷多発地帯です。

 

 自衛隊駐屯地のある相馬が原近くに黒髪山神社があります。

 黒髪山は、榛名山塊中の最高峰である相馬山の別称。

 

 日本武尊が、東夷征伐の際、登られたという伝説がある。

 堯恵も北国紀行に、

         たが袖の秋の別れか櫛の歯の

                   黒髪山ぞまなくしぐるる

と、うたっている。

 黒髪山とは、“くらおかみ”すなわち雷電の発生する山である。

 

どのあたりでこの歌が謡われていたかが想像されます。

 

【企画・制作】 Hoshino Parsons Project

bottom of page